暗い日本家屋の中をライティングで撮影する【飛騨牛ハンバーグ専門店Roman亭】

飛騨牛ハンバーグ専門店Roman亭

お知らせ
追記(2018.12.23) Roman亭は下記の住所へと移転が決定致しました。新店舗ではTEPPAN STEAK ROMANとしてリニューアル致します!詳細決まり次第順次お知らせ致します!
新住所 高山市花里町4丁目 68番地-6 2F

移転後、こちらの記事も更新いたします、しばらくお待ちください。
下記情報は2018年12月24日までの「移転前」の情報及び写真です。

撮影作例でも写真やスライドショー動画を公開しております、飛騨牛ハンバーグ専門店Roman亭。食事に行った際に、店舗内装の美しさに感動し後日撮影させて頂いたのですが、それを例にライティングのお話を。(話題が時系列でなく前後してすいません( ;∀;)

カメラマンの方なら悩みどころではないでしょうか、暗い日本家屋の室内。壁や天井が白であることが非常に少なくありませんか?つまり、フラッシュの光を反射させて柔らかい光を作り出す「バウンス」という技が使えない!

障子のあるお部屋ならいろいろ工夫できますが、今回の最大の難所はお写真の「玄関」。

Roman亭の玄関を入ると、奥に素敵な飾り窓があります。この小窓の向こうに見えるのは庭の緑の木々。とても美しく、これを見た目通りに撮りたいと撮ったのが左の「奥の飾り窓に露出を合わせた写真」。小窓からの優しい光と緑の木々の美しさは写っていますが、肝心の玄関内の様子がわかりません(^-^;

そこで、カメラ任せの設定(今回は絞り優先オート。被写界深度を稼ぐためにF8,画質優先のISO64に設定を固定すると、カメラが自動的に適切なシャッタースピードを算出し撮影してくれます。レンズは14-24ズームを17mmにセット。シャッタースピードはなんと5秒になったので三脚固定で撮影です)で撮りなおすと、右の「玄関全体に露出を合わせた写真」になりました。玄関の様子はよくわかるようになりましたが、小窓の景色が真っ白に( ;∀;)

以前にも書きましたが、人間の目は非常に優秀なカメラです。明るいところと暗い所の情報を同時に処理する能力がすごく、いわゆる「見た目通りの写真」を一発で撮れるカメラはまだ存在しません( ;∀;)。

ここで、どう対処するか。

  1. 1 2枚の写真をあとで合成する
  2. 2 暗く写ったほうの写真を現像するときに暗い部分を明るく持ち上げる(HDR処理)
  3. 3 フラッシュを使う(暗い場所のみ、光を補う工夫をする)

私がいつも選ぶのは3です。理由は、

  1. 1 はめんどくさいし違和感が出てしまうかもしれない。そもそも好きではない(笑)→どうしようもないときは使っている技ですが私としては最終手段
  2. 2 は実際にやってみたが、これだけ輝度差が激しいと画質が極端に落ちる。(輝度差がそれほどない場合は、最近のカメラは優秀なので綺麗に仕上がります)
  3. 3 は好きな撮影方法(笑)

ちなみに、1の合成はめんどくさいのでやっておりません(笑)ので、2の「現像時に暗い写真を明るくする」をやったのを↓ご覧ください。

小窓の明るさはそのままに、他の部分をある程度明るくはできましたがこれが限界。もっと明るくできなくはないですが、画質が荒れます。ノイズが入ったり変な色が出て来たりして、使えない写真になってしまいます。

ここでいよいよ本題の3、フラッシュを使う ですが、いつもであれば白い壁や天井などにフラッシュの光を反射させ、やわらかい自然な光をぜんたいに回らせて撮ります。が!ここは日本家屋の玄関、真っ白な壁も天井もございません( ;∀;)

ここで使ったのは「傘」「アンブレラ」。内側の白い部分にフラッシュヘッドを向けて光を反射させ拡散するライトシェ-ピングツールを、向かって右側の廊下の奥に設置しました。写真に見えない隠れた部分です。で、仕上げたのが↓

玄関の床、壁、奥の窓にまで拡散した光がうまく回り込み、ほぼ狙い通りの状態になりました。フラッシュ直射では光が強すぎ・広がらないなど狙い通りにならないことがあるので、今回は85センチと小さいですが傘を使って正解でした。手前右にげた箱がある事も表現したかったのですが、めちゃくちゃ明るくする必要はないなあ、さりげなく存在感が出ればいいと思いましたので、左の壁に反射したわずかな淡い光がげた箱を少し照らしてくれているこの写真でよし!としました。他、床の畳、天井の装飾などもしっかりとディテールを出せましたし、左側に飾られている絵の額のガラス面に変な反射も入っていないし、画質もISO64で綺麗だし、フラッシュを使うことはいいことだらけなのです!(笑) あくまで私の好みの撮影方法なので、カメラマンさんによっては違うと思いますが。
最初のテスト撮影から、この仕上げ写真を撮るまでにかかった時間は丁度10分でした。出張撮影ではスピードも大事なので、(レストラン開店時間までに撮らなあかん!とか)日々経験と練習を重ねております。

現場で素早くいい結果を出すのは難しいですが、楽しくもあります。お客様の好みやご希望を伺いながら、いい写真を残せるように頑張っております。こういったお店や、素敵な洋間・仏間・ご自宅のお気に入りの場所のお写真等も是非撮影させてください!ご依頼お待ちしております。

Roman亭様、他の店内写真やお店の詳細、スライドショー動画は→こちらからどうぞ!

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