昨日2021年6月26日、岐阜県高山市の丹生川文化ホールにて開催された「両面宿儺(りょうめんすくな)の真実」講演会の取材撮影に行きました。地元丹生川まちづくり協議会広報誌用の写真撮影です。
当日は他県からの来場者も含め180名も集まり、両面宿儺に対する関心の高さがうかがえました。その会場で気になったことを。
舞台や講演会では、通常、撮影禁止になっている会場があります。また、撮影にお咎めがない会場でも、「フラッシュ・ストロボの使用はご遠慮ください」と告知されている会場もあります。中には、何も案内がない会場もあります。案内がない場合、私はいつも「撮影はOKか」「フラッシュの使用は可能か」事前に確認をとります。たいていの場合、ホール内、舞台でのフラッシュはご遠慮ください、と告げられることが多いです。理由はいくつか考えられますが
- 他の観客の迷惑になる→意外と気になる
- ビデオ撮影が同時に行われている場合、撮影の邪魔になる(映像にチカチカ入るのは嫌なものです)
- フラッシュを使わず写真撮影している人の邪魔になる(たまたま同じタイミングでシャッターを切った場合、瞬間光のフラッシュを計測できないので、フラッシュを使っていない人の写真が露出オーバーで失敗作に!)
などでしょう。
我が家の娘と息子の演劇観賞に行った際、フラッシュ禁止と告知があるにもかかわらず、コンパクトデジカメでフラッシュを光らせて撮影している観客の方がおられました。慌てて声をかけようとしたところ、近くに座っていた別の方が注意されて事なきを得ました。撮影している方はファインダーを覗いているので意外と気づきませんが、講演会や舞台の暗い会場でチカチカとフラッシュを光らせると、周りの人としては目障りなものです。また、ビデオ撮影時には映像に不自然にチカチカと光が入って、動画制作側としても迷惑な話です。他の写真撮影者にしても迷惑なのはいうまでもありません。
昨日も多くのカメラマンが会場に来ておられました。1名だけ、フラッシュを炊いて撮っているカメラマンがおられました。観客席に座り、ノートパソコンも広げていたので、取材の仕事なのか単なる観客なのかはわかりませんでしたが、とにかく遠慮なくピカピカやっています。しかも赤目軽減モードでしょうか、短い間隔でピカピカピカ!と連続発行しています。フラッシュヘッドは上向き。え?あの離れた距離でヘッド上向きで光が届くのか?私は取材のため一般の人が入れない最後列側に居たので声をかけるタイミングをなかなかとれず・・・
他にもフラッシュを装着したカメラで撮っている方はおられましたが、その方々は一切発光させていませんでした。おそらく会場外で使用後だったか、または講演会終了後に使用するためにカメラに装着したままスイッチだけ切っていたのでしょう。
ここまで読んでいただければ、講演会や舞台でのフラッシュ使用は控えなければ、とお分かりいただけるかと思います。
また、会場スタッフにフラッシュ使用okをもらったとしても、周りの状況をよく確認し、ビデオ撮影などが行われていたり、他のカメラマンがいらっしゃる場合は自主的にフラッシュの使用を控える配慮は必要でしょう。
また、技術的にもフラッシュを使わない方が良い理由が。
講演会や舞台撮影では、よほど近いポジションに陣取らない限りフラッシュの光は届きません。フラッシュの光の届く範囲を事前に研究しておいてください。また、会場自体は暗いですが舞台上は大抵演者や講演者にスポットライトが当たっています。はっきりいってフラッシュはほぼ必要ありません。(この日は私はフラッシュを持参しませんでした)むしろフラッシュを使っていい感じに撮ることの方が難しいです。舞台の演者にフラッシュなしで露出を合わせてみてください。まずまずのシャッタースピード、絞り、ISO感度で撮れるはずです。昨日の私の撮影写真のexifを見ますと、
- ISO 2500前後(オートで3200上限設定)
- 絞り F5.6-7.1
- シャッタースピード 1/80~1/200(オートで1/60最低に設定)
- 露出補正 -1.7~-3.3 (後に記載しますが、演者が露出オーバーにならないように調整)
でした。最近のカメラであれば十分綺麗に撮れる値です。昨日はマイクロフォーサーズのOLYMPUS OM-D E-M1 MK3+12-100mmF4を使用しました。
舞台や講演会では会場の素晴らしいライティング機材と技術者が適切で見やすく美しいライティングを施してくれます。それに甘えたほうがいい結果が出るものです。
そして、余談ですが、カメラのオート機能に頼りすぎると失敗しやすいのも舞台・講演会撮影です。
舞台に演者や講演者がいらっしゃいます。スポットライトで被写体は良い感じに照らされていますが、周りは暗いです。輝度差が激しい特殊な状況です。この状態で、カメラのオート機能で撮影すると・・・
カメラのオート機能は、明るい所と暗い所の中間点を探し、なるべく平均的な明るさで写るように調整します。輝度差が激しすぎると、真っ暗な背景をなるべく明るく写そうと「この状況では間違った」判断をしてしまいます。結果、被写体が露出オーバーで真っ白け。な写真が・・・
対策としては(ニコンの場合の表現です)
- 露出モードを「スポット測光」などの、被写体のみに露出を合わせるモードに切り替える
- いつもの「マルチパターン測光(画面全体の適正露出を算出する)」のままで、露出補正ダイヤルを使い調整(今回の場合は暗くしたいのでマイナスにする)
上記が考えられます。私は、スポット測光はまず使いません。切り替えてそれを戻すのを忘れ、後でひどい目にあったことがあるので(;’∀’)
露出補正ならまず忘れることはないので、臨機応変に露出補正で調整しています。
普通の撮影でもこれだけ気を付けなければならない講演会・舞台撮影。ここへ、さらにフラッシュの光が加わると・・・もう大変なのはおわかりですね(;’∀’)
カメラを趣味にしていると、こういった舞台や講演会の撮影などを依頼される方も多いと思います。ぜひ周りの状況などに気を付けて、迷惑の掛からない撮影をお願いいたします。